ソニア・カバジェーロ アラブ首長国連邦政府へ作品を納める 2019年10月29日 スペイン、バルセロナ

バルセロナ国立芸術サークルにて開催されたレセプションにて、「寛容の年」と題した作品がアラブ首長国連邦(UAE)の総領事に手渡された。

ソニア・カバジェーロ独自の感性で作品に新たな想いを込める。

2019年はソニア・カバジェーロがアーティストとして目覚ましい成長を遂げた年となった。一週間で4,000人以上の来客で賑わった東京での展覧会に始まり、新しい絵画作品の制作、スペインの著名なジュエリーデザイナー、エルネスト・オリオルとのコラボレーションによるジュエリー制作、バルセロナBMGE授賞式での作品受賞、そして2019年10月28日のバルセロナ国立芸術サークル(以下RCAB)でのアラブ首長国連邦政府への「寛容の年」の納品。

納品式は在バルセロナUAE総領事館により主催され、RCABのブリンディスルームには、アートを愛する様々な国籍の招待客50名ほどが集まった。

 

RCAB事業ディレクターのホアン・アベジョ、ソニア・カバジェーロ、UAE総領事のモハメド・アブドラ・アリ・アルシャムシ氏

マドリード出身のアーティストは自身にとって大事な3つの国、「スペイン・日本・UAE」を再現し、レセプションは特別な雰囲気に包まれた。

彼女は中東文化と国々に対して尊敬と称賛の念を抱くようになったきっかけとして、学生時代の歴史の授業に遡った。現在のコルドバ、セビリア、グラナダ等の都市を彩る美しい建築物はアラブ文化がスペインに残した偉大な遺産であること、現在のカスティーリャ語の多くの言葉はアラビア語由来であることを知った当時の彼女は深い感銘を受けたことを語った。

「今回、アラブ首長国連邦の「寛容の年」に因んで作品制作の依頼を受けたことは、私が常々望んでいる国家間の結束を実現するために、また人々の対立による苦しみを少しでも和らげるために、またとない機会でした。」とソニア・カバジェーロは作品への思いを伝えた。

 

彼女はこう続けた。「作品に描いたガフの木はUAEの国樹であり、寛容の年を宣言する象徴の木です。過酷な環境に耐えることができるこの木は砂漠の安定性を確保するという環境保全を担うだけではなく、昔は公的な行事を祝う場所としての役割も果たしていたことから古き良き伝統を象徴する木でもあります。このようなことからインスピレーションを受けて制作にあたったこの作品には特別な想いが込められています。」

「水のない砂漠がアラブ文化にとって意味する豊かさを青色で表現しました。金の割れ目は砂漠の乾燥地帯で、今回初めて新しい技法を用いて割れ目の下に見える水を描きました。 3つの水の輪はそれぞれ私の人生において大切な3つの国を象徴しています。」ソニアは作品の説明の最後をこう結んだ。

 

20年に及ぶ日本での生活を含め、世界各国を旅してきた彼女は、異なる社会・文化における様々な考え方に耳を傾け、受け入れることの重要性を目の当たりにしてきた。

最後にソニアはこの作品がアラブ首長国連邦とスペイン両国の良好な関係を確固たるものにするだけでなく、世界の団結への架け橋となることを願っていると強調した。

 

アルシャムシ総領事は作品に込められた想いに感銘を受け、UAEが2019年の「寛容の年」に達成すべき、尊敬と寛容の心を持つ大切さを人々に訴えた。

お礼に総領事は「寛容」を象徴する木であるガフの木をかたどったゴールドをソニアへ贈り、イベントは大盛況のうちに幕を閉じた。

芸術家としての生まれ持った才能だけではなく、常に人々に対して融和的なソニア・カバジェーロの周りには次々と素晴らしいことが起こっている。